今日も泣く

長女と折りが合わず、今日も泣いてしまった。長女とは本音で話し合えるが、その分、衝突も多い。なにせ私と性格が正反対。彼女は完璧主義だし、相当な努力家だし、頑固でど真面目だ。悪くいえば融通性がなく、人に誤解もされやすい。

死別したら、どうしても亡くなった人を美化してしまうものだが、長女も、父親のことを完璧に尊敬している。私と衝突するたびに、娘は父親のいない辛さにぶち当たる。そして私も夫のいない辛さを痛感する。共倒れだ。

夫だって厳しい面はあったから、反抗的な娘をしかったはずだと思うのだが、娘の中ではパパは完全に優しいパパのままで残っている。

どうしたって私には分が悪い。私はママであり、パパの役割もしつつ、一家をまとめていかなくてはならない。長女はしっかりしている分、ついつい頼ってしまって、かわいそうなことをさせていると分かっているのだが、だから、こうやって子供らしく反抗しているのは悪いことではないと分かっているのだが、心が折れる。疲労する。

同じシングルマザーでも、離婚の場合だったら、特にこちらでは、子供達はパパと十分に時間を過ごせるので(週末は父親のところで過ごす。週の半分は父親と住むなど)そういう難しい面も協力したりできるのかなーと想像する。別の難しい面はあるとは思うけれど。

ティーンエイジャーは難しい。ホルモンのバランスと、コロナのストレスと。

浮気されても慰謝料のないドイツ

浮気や不倫報道が日本のニュースで頻繁に取り上げられています。

幸い、亡くなった夫は女性にモテるタイプではなかったし(!)12年間の短い結婚生活の中で、私たちの中で、浮気疑惑やそれによる喧嘩などは一度もなかったです。

でも、子どもの年齢が上がるにつれ、私の周囲でも、浮気、そしてそこからの離婚を選ぶドイツ人夫婦、イギリス人夫婦、日本人との国際結婚夫婦がちらほら出てくるようになりました。

驚くことに、ドイツでは離婚の際に慰謝料というものが一切ないそうです。昔は日本のように慰謝料のシステムがあったらしいのですが、他人(法廷や弁護士)が個人の心理的状態に立ち入ることは不可能だ、ということに、数年前から決まったそうなのです。

浮気をされた方にも相手を繋ぎ止めておくことができなかった、そういう相手を選んで結婚してしまった、という落ち度があるのだ、と聞いたこともあります。

冷酷です。冷酷だけど、よくよく、今現在離婚の過程にある友達の状況を聞くと、ドイツの離婚のやり方には、それなりに良い部分もあるような気もします。

紙切れ一枚で離婚なんてことは、絶対にできません。子供がいればなおさらのことです。必ず弁護士が入って、別居期間が設けられ、いろいろな質問をされ、全ての経済状況を調べ上げられ、子供の養育権、養育費、どのくらいの頻度でどちらの親と時間を過ごすのか、将来の年金の分割の割合などなど、こと細かに決められるようです。

寝室が別になったら、気持ちがお互いになくなったら、結婚カウンセリングやセラピーでもお互いの関係が良くならなかったら、他に好きな人ができてしまったら、気持ちに正直に動くドイツ人。

もちろん、周りはショックを受けます。子供のことを考え、別れを切り出された方の心情を思いやり、みんなショックで周りは心を痛めます。でも、そのあとは、段階を踏んで離婚へと進み、子供は定期的にパパとママと時間を過ごし、親の方も、シングルになったのだからと、新しいパートナーをすぐ見つけようとする人もとても多いです。

子供のクラスには、そんな保護者がちらほらと。パパとママがそれぞれ再婚して、保護者会や学校のイベントには両方の夫婦4人が、子供一人についてくるところ。パパが離婚後ゲイだと公表して、パパと新しい男性パートナーで学校にくるところ。

クリスマスやイースターにはパパの方の祖父母、ママの方の祖父母、そして、新しいそれぞれのパートナーの親戚からも誘いや集まりがあり、みんな忙しそうです。

ステップファミリー、ドイツではパッチワークファミリーと言いますが、それが本当に普通に多い。みんな心労、悲しみはあったのだろうけど、はたから見れば普通のいい家族に見えます。そして、夫婦仲がいい。子供の前でキスしたり手を繋ぐのは当たり前だし、思いやりが垣間見れます。

逆に言えば、夫婦で仲が悪いところはないのかもしれません。そうなったら、あっさり(ではないでしょうが)別居、離婚を選ぶのでしょうね。愛がなくなったらそうするのでしょう。だから、どの夫婦も喧嘩はあっても愛はあるのでしょう。

最近、ドイツ人知人に言われたひどい言葉。

「あなたは今も亡くなったご主人を想って泣いているけど、今でも普通に結婚生活が続いていたら、浮気や喧嘩や不仲が起こっていたかもしれない。他の多くの夫婦のように」

ひどいでしょ。この言葉。悪気はなかったのだろうけど。

「そういう風には考えられません。私たちは幸せに普通に結婚していたのですから」と答えることしかできませんでした。

ドイツ人ママ友で、数年前に旦那さんが若い女性を好きになり、そちらと一緒になったために離婚した友達がいます。今でも、その裏切りの辛さで涙し、セラピーをとっている彼女。

裏切られた方はずっと傷が残ります。

死別とはまた違う傷。杏さんの傷も癒される日がきますように。

若年未亡人若年死別者の割合

http://shibetu.strikingly.com/

これを見てもらえば、分かるのだが、私のように30代で死別する人は割合でいうと本当に少ない。1万人に4人とかだ。当然、私の周りの知人友人で、若年未亡人はいない。

死別者の集まりに行って、ほとんどが60代以上の人で、浮いてしまったことは以前にも書いたが、とにかく、私は死別して以来、若年未亡人と個人的に話したことは一度もない。一方的にブログや本を読んで共感させてもらっているだけだ。

こんなに稀有で、死別という暗い経験をしている存在だから、普通の人から見たら扱いにくい厄介な存在かもしれないな、と思うことがある。離婚経験者のシングルマザーとシンママならではの悩みを相談し合うことは多いが、やっぱり、死別者と離婚者では、私たちママと子供の傷に少し違いがあって、うまく噛み合わない部分もある。

じゃあ、どうしたいのか?結局、自分の傷は自分で癒すしかないのかなと思う。完全には治ることはない、大きな傷。とりあえず、自分の生活で、小さな目標を立てていこうと思った。ちょっと頑張れば叶えられそうなくらいの目標だ。子供たちとちょっとだけ遠出する、とか、一人でカフェに行く、とか、義父母に子供を任せて、友達と飲みに出かける、とか。

友達が、旦那の不満を言う。みんな私に気を遣ってくれているのだろう、一対一で会っている時に、私に旦那さんの不満を言う友達はほとんどいないけど、グループで会っていると、そういう話も出てくる。子育ての方針の違いとか、ちょっとした誤解から喧嘩になったこととか、旅行先でのちょっとしたハプニングから大げんかになった話とか。何事もないような顔をして、でも、発言することなく平然と聞いて、心で泣く。本当に、心って痛くなるんだな、と実感する。

みんな、いつか旦那さんと死別するか、自分が先に死んじゃうんだよ。私のように、なんの前触れもなく、突然かもしれないんだよ。

心の中で思う。こんな気持ち誰にも味わって欲しくない。でも、私の心をわかってもらうために、味わって欲しいような悪魔の気持ちも一瞬芽生える。恐ろしい。死別しないと分かんないだ。喪主になって、人生ぽんと放り出されないと、分かんないんだ。私の心をわかってくれる人は周りにいない。

だから、ブログや本を読み漁る。これも私にとっては癒しの一つだ。