嫉妬

週末は特に最悪だ。どこに行っても家族連れやカップルが目につく。見ないようにしても、聞こえないふりをしても、気づいてしまう。カップルの何気ない目配せ、買い物袋をたくさん持つパパ、どこかの子どもが「パパ〜」と呼ぶ声。そして、ここは外国。至るところで軽いキスが交わされ、パーティーに呼ばれれば夫婦同伴。

まだドイツへの引っ越しを決めた事も子供たちの学校の色々も書いてないけれど、それはまた今後にしよう。

ドイツに来て1年後、親友のご主人の50歳のお誕生日パーティーに招待された。もちろん一人で行った。親友は優しく、周りの友だちも気をつかってくれたのだろう、私は一人でぼーっとなることはなく、常に誰かとおしゃべりできた。それでも、私は心の中で泣いていた。

夫は50になれなかった。私はもう夫の誕生日を祝えない。私は愛する人の横に立ってパーティーを楽しむことは出来ない。「奥さん」じゃあない。

その日私は新しい服を着ていた。夫の知らない服、靴、バッグ。夫の知らない物が増えるたび、さびしくなった。でも買い物をすることでのささやかな僅かな喜びは私に必要なものだった。

日本人友達が現地のご主人と軽くキスをするのを見てしまった。私はその後3週間は落ち込んだ。知ってる人のこういう場面は特に凹む。

嫉妬は深く心を疲れさせる。

死別して優しい人間になれると思っていたけど、私の心の奥はまだ醜いものが沢山ある。